VOL2 あなたのそのコート


ずいぶん見かけなくなりましたが、今だに毛皮のコートを着ている人がいます。
毛皮を選ぶ理由って、何でしょう??
暖かい。軽い。美しい・・・・・
その、どれもを満たすものは、今はたくさんある時代ですよね??
そのたくさんある、別の物とはたったひとつだけ、違う点があります。
それは高価だということ。
それを着ている人は、つまり見栄っ張りだということです(きっぱり)

毛皮は、大嫌いです。(副産物である牛皮などは除く)
私の持ち物には、ほんの少しでも、毛皮がついたものはありません。
以前、デパートで働いていたときも、販売員にすすめられて
「え?それ、動物の死骸の一部でしょ?悪趣味ー。」
と、きっぱり言ったことがアリ
私、ひどいですか

でもね、そのコ−トを作る現場はもっとひどいです。
今から、そのお話がしたいので、何か食べながらごらんになってる方は
読まないほうが賢明です。ごめんちゃい
後で読んでね??

ひとつめは、シルバーフォックス等。
海外の、とある繁殖場の現場では、キツネが、せまい檻に閉じ込められて
劣悪な環境におかれています。
知能の高いキツネには、その生活は耐えられないのでしょう。
せまい檻の中で、ぐるぐる回り続けています。
保温されることもなく、ケガや病気に対処される事もありません。
目がつぶれている。自ら、足を食いちぎっている。骨折している・・・
地面から1Mくらい高いところに、並んだ檻は、床もすのこ状ですから、
糞尿は、下に落ちるしくみになっています。
寝るところさえなく、どんなに寒いことでしょう。
(ちなみにこれはミンクなどでも、同じです)

彼らが、ここから出るのは、殺される時だけです。
二人の人に、首と尻尾を持って、ぶらさげられます。
そして、口と、肛門の2箇所に電極が。
口に電極をくわえさせられた、その目が恐怖に見開いています。
この狐が、一生にくわえたものは、与えられたエサと、電極のふたつだけです。
感電で死ぬのです。
時には、まだ生きていても、暴れる力がなければ、生きたまま、皮を剥がれるのです。

ふたつめは、狸です。
中国の動画。
檻の中にたくさんの狸。その1匹の尻尾をやおらつかみ、そのまま後ろ足を持って地面に叩き
つける。1回、2回、3回、4回・・・・
このあたりで、狸はぐったりし、口から血を流しています。

ぐったりした狸が、地面に並べられています。
どの狸も、目をパチクリさせ、苦しんでいます。
その狸の足が、ナタで切られていきます。もちろん生きたままです。
足の下に、板を入れられ、それをまな板のように使って、ナタを振り下ろします。
そして、ぶらさげられ、おしりのほうから、皮を剥がれます。
無理やり洋服を脱がすように、引き剥がします。
ぐいぐいと、ナイフも使わずに。
もちろん、足をばたばたさせて、暴れています。

最後に、前足と、顔の部分まで剥がれたら、おしまいです。
皮を剥がれた、もう狸には見えない、ピンク色の動物は、
トラックに放り込まれます。
トラックには、その、一回りも、ふた周りも細くなった、ピンク色のぬめぬめした
動物が、山のように積まれています。何十匹いるでしょう・・・
死んでいると思うでしょう?
・・生きているんです。
目をパチパチさせ、首を持ち上げて、あたりを眺め回す・・そしてまた
ぐったりと倒れる・・・・
皮を剥かれてしまったために、まつげがとても長く見える、その目が不憫で
なりません。

泣きながら見ました。どうぞ神様、このコたちを早く殺してあげてください!
苦しみから、救うたった1個だけ残された道は、死でしかない・・・

狸は本来、とても気が強い動物だと、聞いたことがあります。
その狸が、はむかうことも出来ず、殺されていくのは、目の前で起こっている
殺戮が、自分の身にふりかかることを、知って、怯えきっているからでしょう。
そして、狸はとても、夫婦愛の強い動物です。
つれあいを亡くすと、何も食べず、落胆して死にいたることも多いのです。
狸は「ラクーン」(あらいぐま)という表示で、ほとんどが日本に輸入されています。
私が街で見かける、狸の毛皮の多くは、フードの縁取りです。
アライグマと狸は、毛質が違います。
ここまでして、フードに縁取りが欲しいですか??
それは保温ではなく、ファッションのためでしょう?
では、フェイクで十分なのでは??

みっつめは、あざらしの赤ちゃんです。
お母さんあざらしが、氷の隙間から、見つめる前で、赤ちゃんは殴り殺されます。
ただ、棍棒のようなもので、頭を殴り続けるだけ。
真っ白で、黒い、大きな瞳のアザラシの赤ちゃんは、逃げる足もなく、ただ、怯えきって、叫びな
がら、殴られます。
お母さんあざらしも、吼え続けますが、それも空しく、大事な赤ちゃんは
口から血を吐きながら、引きずられて行くのです。
これは、現在は反対運動も多く、規制はあるようですが、まだ行われています。
買う人がいるから、獲る人がいるのです。
高価であれば、法を犯してでも、お金が欲しい人はたくさんいるのでしょう。

よっつめは、チンチラです。
皆さんは「チンチラ」という動物をご存知ですか?
大きさは、小さいハトくらいの、ネズミのようなウサギのような動物です。
体はまんまるで、灰色、背中などに黒い毛が混じっています。
耳は丸くて、大きく、モルモットの耳にそっくり。
大きなまんまるな目が、可愛らしい。
毛がふわふわで、なめらか。人になつくので、最近ではペットショップでも
販売されています。
私はペットショップよりも、50代以上の女性の、コートの襟で、その姿を
見かけます。
背中の黒い毛が目印になり、そのご婦人を飾るために、犠牲になったチンチラの数がはっきり
と、わかります。
1匹、2匹・・・・・たいていは、8匹以上が使われているようです。
なんか、数えてしまう私・・・
持っている、アナタ・・・後ろで私が数えていますよ??こわーい>私。

5つ目は、犬、ネコです。
現在中国では、犬とネコの毛皮を、日本に輸出しています。
「アメリカンコッカースパニエルの煮込み」がある国ですから、毛皮くらいで
驚いてはいけないような気がしますが・・・
やっぱり、シェパードも、あの狸のようにぶら下げて、生きたまま皮を剥がれて
いました。
何百という、犬や、ネコが積まれたトラック。
1M四方、高さ30センチくらいの、網でできた箱に、犬も、ネコもぎゅうぎゅう詰め。
それを積み上げてあるトラック。
トラックが到着すると、箱はトラックの、高いところから、地面にほうり投げられます。
悲鳴をあげる犬やネコ。
この時点で、圧死するコもいるでしょうし、骨折してるコも多いでしょう。
でもこの後、どうせ殺してしまうので、気にするはずがありません。

動揺をなんとかしようと、隣のネコの顔を、一生懸命なめてあげているネコ。
(ネコは動揺すると、なめて気持ちを静めようとします)
何もしてないのに、なぜか網の隙間から、棒で突かれています。
それは、もう、作業というより、殺戮なのでしょう。
人は、戦争などで、不必要に残酷になることがあります。

何百という、血まみれのネコの毛皮を前に、置き去りにされた(きっと忘れられた)茶トラのネコ
が、悲しそうに鳴くのが、印象的でした。

注目すべきは、その輸出先が日本だということです。
日本人は、たとえそれが犬やネコの毛皮だと、バレたところで、大騒ぎしないと
知っているからです。
欧米では大騒ぎになりますから。

かわいいぎんさんの背中をなでていても、「きっとコレがウサギだと言われても
きっと誰もわからないだろう」と、思います。
現在の技術では、染め分けも簡単です。

私が毛皮を持つ人に対しての認識は、「何も知らないおばかさん」か
「どんな殺戮を犯してでも、その身を飾りたいほどの、見栄っ張り」です。
おそらくは、毛皮と知っている以上、動物を殺したことは理解しているはずなのに
それを深く考えもせず、着られる神経が理解できない。

野生動物の毛皮は、もちろん希少で、高価なものです。
毛皮を持っている皆さんには、野生動物の知識がありますか??
実際に、生きた姿のその動物を、見たことがありますか?
あなたの、そのコート。
本当にそれは、アフリカに住むネコ族のものだと、言い切る自信はありますか?
野生動物は、あなたのコートになるほどには、もう存在しません。
過去に全世界の女性が、それを着たために。

血に染まった毛皮。
それでも、その毛皮で、身を飾りたいですか?
男性諸君。
そんな女性は、お好きですか?
毛皮を着て、にっこり微笑む彼女の赤い口紅が、血に染まって見えませんか?
もし、それが気にならないのだとしたら、今度の犠牲者はあなた自身かも。
何を犠牲にしても、自分が大事な女性ですもの、ね?





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