VOL4 寄り添うこと
今夜は雨
こんな夜は誰かが、泣いていないかと、気にかかる・・・
冷たい雨。
私は、見送ることが仕事・・・のような仕事をしていると思う。
幼いころも、美しかったころも、すべて時が飲み込んで、深くなった皺に
思い出をたくさん刻んで、小さくなったその人は死に怯える。
なぐさめる言葉なんて、ない。
寄り添う心だけが、その人の救いだと信じて、いつも言う。
「○○さんは、生まれてきた時、それはそれは希望がたくさんある赤ちゃんだったでしょう?そ
れは○○さんが、主役の、旅の始まりだったよね?
いろーーーーんな出来事が、たくさんあって、もうすぐこの旅は、帰りの汽車に
乗る時間が、来るのかもしれない。
私よりも、先に、人生の旅に出発しているから、帰りの汽車に乗るのも、そのぶん、早いんだ
ねえ・・・
人は悲しいけど、みんなひとりぼっちだよ?
ひとりぼっちで生まれてきて、ひとりぼっちで死んでいくの。
私も寂しくて、泣くことがあるんだ。大人なのに、おかしいよね?
○○さんも、寂しいの?
でも、私がいるよ?
もし、その時が来たら、私○○さんが、入れ歯入ってなかったら、そっと入れておいてあげる!
このへんパパーーーッと片付けて、それで、着替えもして、お化粧だってしてあげる。だから、
心配いらないよ?なんでもしておくからね?
でも、それまでは私と一緒に、いい旅にしよう?
私はずっと一緒にいるよ?イヤだって言われてもこーーーやって、絶対離れないんだからね〜
〜〜〜(と、抱きつく)」
それまで死への不安を口にしていたおばあちゃんは、それでニッコニコになるのです。不思議
なものですね〜〜〜
寄り添うということ。
その人の体に、心に寄り添うということ。
知力、体力のすべてを使って、最大限のことをしても、見送る日が来たなら
潔く、生き様をたたえて、拍手で見送ること。
それが、その人の尊厳を守ると、信じてやっていこうと思う。
私のかわいいぎんさんは、3才でガンが発覚しました。
いろんな事をしてきたし、大きな手術にも負けなかった。
世界で一番のねこさんです。16歳。
もう、一緒にいられる時間は、残り少ないと思う。
私とぎんさんと、すきっちょは、運命共同体です。
このコたちの不幸は、私の不幸。
私の不幸は、このコたちの不幸。
私はいつも、ない頭をふりしぼって、「もし、私がネコなら・・・」
「犬なら・・・」と、考え、考えて寄り添っています。
そして、このコたちは、もっともっと色々考えて、私のそばにいてくれる。
ぎんさんも、ネコさんなりに、苦しいことも、いっぱいあるよね?
すきっちょも、今までできたことが、できなくて、辛いよね?
時々、怒ったりしてごめんね?
でも、私がいるよ?
イヤだって言われても、絶対に離れない。
私は、私のできるすべてのことをしても、神様が返して?っていう時が来たら
どんなにいいコだったか、神様にお話して、潔くお返しするよ。
それまで、一緒に、いい旅にしよう
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